アリスの本棚

読んだ本の紹介をしていきます。

真夜中の太陽

真夜中の太陽 (中公文庫)

真夜中の太陽 (中公文庫)


(2008年読了)

また読んじゃった、米原万里
この作品は、私には難しかったです。
米原さんの日本や国際社会に対する鋭い批判や皮肉が
私にはちんぷんかんぷんだったりする。
短編49編くらいからなるこの本の中で、
私が理解し面白いと感じえた編はわずか11編くらい
いやもっと少ないかもしれない。
私には知らないことが多いな。
10年後にまた読んだら、もうちょっと解かることができるかな。

「幼児に英語を学ばせる愚」という1編がある。
米原さんは、他の本でも述べていたけど、
幼児期の英語教育反対派のようである。
「幼児期とは言語中枢の基盤が確立する時期であり、
その時期に他国語を学ぶと自国語との混乱を起こして、
言語能力が不安定になってしまう。
どんな言語を学んでも、自国語よりも巧くなることは絶対にないのだから、この時期にはしっかりと自国語の基盤を作るべきだ。
それが外国語が巧くなるための最低条件なのだ。」
という考え方。
以前米原さんの他の本を読んだときは、 

「なるほど、その通りだな、
小学校の英語必修化反対~」
なんて言ってたけど、今回これを読んで、
あれ??と思った。
だって、米原さんはロシア語を幼少期から学んでいたけど
日本語の能力もすごいじゃん!矛盾してない??
これはどういうことなのか??
きっと米原さんは幼少期を外国で過ごし、
帰国後日本語の遅れを取り戻すのに
私が想像し得ないような苦労をしたのかもしれない。
そして外語大に行って、
ロシア語同時通訳の第一線で活躍しただけではなく、
その経験と独自の鋭い観察眼と文章能力で
おもしろすぎるエッセイを世に出したけれど、
幼児期に他国語を学んだ米原さんのどこが「言語能力不安定」なんだろうと首をかしげずにはいられない。
むしろ自国語も他国語も万能でうらやましすぎなんですけど。
それってつまり、言語能力不安定期を乗り越えるための苦労を知っている米原さんだからこそ、こんな苦労を乗り越えられる人間はそうそういないだろうからやめとけと、中途半端じゃ結局言語能力不安定なままだから、やめとけってことなのかな?
米原さんにはできても、凡人にはムリよってことなのかな?

また長くなってしまったがまん顔

 

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小学校の英語必修化はその後も着々と進んでるけど、

米原さんの考えを改めて読むと、やはり英語と同じくらい

日本語を使いこなす能力が大切だという感はぬぐえない。

私も、英語好きだけど、それ以上に日本語の能力高めないとなーと思う。