アリスの本棚

読んだ本の紹介をしていきます。

きみのためのバラ(前半)

きみのためのバラ (新潮文庫)

きみのためのバラ (新潮文庫)

池澤夏樹の短編集。
8つのお話が入っています。
仕事で疲れて、やる気なくて、
でも現実逃避したくて、
なんとなく昔読んだ本を手に取って読んでみたら引き込まれました。

都市生活
レギャンの花嫁
連夜
レシタションのはじまり

今ここまで読んだからここまでのレビューを記録。


東京、バリ、沖縄、ブラジルの奥地、
色んな場所での人間模様とか描いてるんだけど非日常的な雰囲気があって、そーゆー不思議な感じが好き。まさか現実には起こりえないだろうけど、もし世界のどこかでこーゆー体験をしている人がいたらいいなーとか思いを馳せてみたり。

レシタションのはじまりの中の一文を引用。
「多くを望まないために、欲望と執着を手放すのが容易なために、彼らが大きな不幸を知らないということもわかった。」

私を悩ませるものは、いつも欲望や執着だと思う。
こんな生活がしたい。
こんな自分になりたい。
理想と現実とのギャップに悩んで悲しくなったりする。
でも、理想なんて描かず、今の自分を受け入れると、とても気が楽になることも知っている。

なぜ今の私はこの程度なんだろう?
こんなふうに嘆いたところで現状は変わらないんだから、そのへんのことに心を乱されないようにする。そうすると、今生きるのが少し楽になる。

でも、欲望や執着を完全に手放すことはできない。
だから、それらをうまくコントロールできるようになりたいなと思った。


「レギャンの花嫁」には、「花を運ぶ妹」に出てくるカヲルが出てくる。カヲルのサイドストーリーって感じ。そーゆーのは読んでて楽しい。お話の登場人物が、今もどこかで生きてるんじゃないかと思いを馳せることが出来る。
バリ、やっぱり好きだなー。