魔女の1ダース
魔女の1ダース―正義と常識に冷や水を浴びせる13章 (新潮文庫)
- 作者: 米原万里
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1999/12/27
- メディア: 文庫
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これも、2008年に読んだ本です。
あとがきに出てくる「知の万華鏡」という表現が好き、
当時は米原さんの文書表現に魅了されてたなあ。
好きな表現に鉛筆で線引いたり、そのページの端を折ってまた読み返せるようにしたり。
(なので古本屋に売れない。(´-`))
米原さんのような物事の捉え方、考え方ができたらいいなーと思ったなあ。
米原さんのような文が書けたらいいなあと、しみじみと読み入っていたなあ。
以下から転載始まります。
米原さんの本はこれで4冊目なんだけど、
4冊目にしてだんだんと米原さんとはどういう人なのかがわかってきた。
読めば読むほど米原さんのファンになっていく!!
普通は1ダースっていったら12個のかたまりの事だけど、
「魔女の1ダース」は13個なんだって。
私達の世界では、1ダースは12個があたりまえ。
でも、違う世界、違う文化圏では私達の常識とは
正反対の事があたりまえだったりする。
米原さんはロシア語同時通訳として
様々な文化圏の人と交流したり、
異文化がぶつかり合うような場面で仕事をこなしてきた。
そんな米原さんにとっては、
全てのことは「相対的」で、
こっちの世界で「絶対的」な事は
他の文化圏ではそうはならない、
という事をよく知っている。
本書は、ある事柄を他の方向からみて、
その価値を真逆の方向にとらえるというコンセプトで
綴られている。
米原さんの文章は、
「ひとつひとつの言葉や文章が選び抜かれた宝石箱」のようであり、
その内容は通訳論や異文化コミュニケーション論、文学、教育、恋愛論、国際経済論とか、難しい話題もあれば、抱腹絶倒の小話やシモネタが入り乱れる「知の万華鏡の世界」なのである。
(この表現は本書より引用したものです)
4冊目にして、
米原さんはほんとに知的で、
シモネタ好きなんだってことがよくわかった1冊だったな。